
ついにカーボンホイール
というわけで、おニューホイールの正体はご覧の通り。一見すると普通の Zipp 303 みたいだけど、知っているひとなら「あれっ?」と思うところがミソ。
Zipp 303 は今年の CSC やチーム・ガーミン(ex ハイロード)が公式採用したので、レースフォトでよく見かける、言ってみれば今シーズン一番メジャーだったカーボンホイール。44mmのリム高で重すぎず、山岳でも十分実用になるオールマイティな使い勝手の良さが、平凡だけど初めて使ってみる人間にとっては手を出しやすいもの。
もともとクリンチャータイヤが主流の世の中で、レースの世界ではなぜチューブラータイヤが生き残っているのかと言えば、ディープリムでも自在に成形できて軽量なカーボンリム(ホイール)との組み合わせで使うからで、順序が逆になったがチューブラータイヤを使うからには一度カーボンホイールを使ってみたかった。30年前には無かったからね。

嬉し恥ずかし
ただし、カンパもマビックもカーボンホイールはまさにハイエンドの価格帯でおいそれとは手が出せない。そんなわけでとりあえずはアルミの完組みホイールを履いていたが、ふじいのりあき氏の『ロードバイクの科学』を読んだらエアロダイナミクスの観点で Zipp のディンプル付きエアロリムに言及していて、また俄然興味がわいてきた。
そんなとき、SNEL のショップブログで店長が自分用に Zipp のリムにカンパのハブでハンドビルドのホイールを組んだという記事が出て、完組みホイールではない使い方もあると知った。訊いてみると、Zipp のリムも以前は品質的にいろいろ問題があって敬遠していたが、最近は製造法や品質管理が向上してレースでも十分「使える」レベルになったとのこと。
またリムだけ Zipp を使って、別メーカーのハブと組み合わせると完組みと同等かむしろ安くホイールが組めるという。もっともカンパコンパチになると先に述べたようにハブの選択肢が少なく、Zipp 純正の完組みのように特殊なスポークシステム(ハブ側はストレートエンド)などは望めず、あくまでオーソドックスなスポークになるとか制約(?)はあるのだが。
それでもいい。手組みのホイールはむしろ狙っていたくらいで歓迎だ。じゃあ、ハブをどうしようか?やっぱり鉄板でカンパレコードのハブにしようか?なんて考えて相談したら、現状カンパのハブ単体が手に入らないという話になっていて、結局 DT のハブで組むことになったのは、先のエントリーに記した通り。
時間はかかったけど、自分としては望んだものがアルミの完組みホイール並みの価格で手に入って大満足だ。

撮り直した甲斐があった
実際走ってみると(まだ近所だけだが)今まで履いていたユーラスとは乗り味がずいぶん違う。なにより、走り出しが軽い。
ホイールを計量できる秤が手元に無いので、数字では重量の比較が出来ないが、32本のステンレススポークとオールスチールのコーラスカセット(12-25T)に Deda Olympico を貼った状態では、ユーラスにレコードのカセット(13-26T/大きい方から4枚はチタン歯)と Veloflex Roube の組み合わせである従来ホイールと、持った感じでほぼ同じくらいの重さ。つまりリムの軽さが、その他のコンポーネントの重量で相殺されていると思われるが、それでも外周部の軽さが慣性モーメントの小ささとして感じられる。
踏み出し時、ペダルに感じる重さがずっと軽いのだ。これはスタートのときだけではない。巡航中、たとえば 30km/h で走っているとして、駐車車両をパスするため右側に膨らむ区間だけ 34-35km/h まで加速するため踏み込むといったありがちな場面でも、明確に感じる。多分長い距離を走る場合、小さなアップダウンが連続する区間で毎回踏み込みが軽ければ、トータルでの疲労度に大きな差が出てくるはずで、いまからツーリングが楽しみだ。
さらに、DT のハブの転がりが実に良い。ユーラスもセラミックベアリングをおごっているので文句ない回転性能だが、DT はステンレスのシールドベアリングで、なんと言ったら良いのか、カップアンドコーンのカンパハブとは異質な、緻密な回転という感じがする。もっともこの感触がずっとこの先維持されるのかは未知数だが。
また、フリー内部のメカニズムが DT 独自のものらしく、音が小さいだけでなく、フリー状態からトルクがかかってホイールに伝わるまでの遊びが極小というか、タイムラグが全くないように感じる。クイックの造りも含めて、全体に「スイスもの」に相応しい精度感があるハブだ。
乗り心地は、タイヤが極端に仕様の違うルーベとオリンピコなので、比較は難しいのだが、ひとつ確実なのはチタンのフレームらしさが若干薄れて、カーボンの振動吸収を強く感じるようになった。ルーベは低圧で極上の乗り心地だから常時7気圧くらいで運用していて、一方オリンピコはタイヤ自体が細いうえ(22mm)、指定圧が 9-11bar と高い(いまは 8.5bar くらいで使っている)ので当然タイヤ自体の乗り心地が固いはずなのだが、実際に臀と両手に伝わる振動はさして変わらない(若干鋭い衝撃は増えたが)のはカーボンリムがそれだけ変形しているのだと思う。
その変形の仕方、振動吸収特性がカーボンのそれだから、結果、体がカーボン成分を感じるということだと思われる(チタンフレームの前にカーボンフレームに乗っていた自分だから判るというレベルの差)。いずれにせよ、ロングツーリングが嫌になるような振動ではない。
オリンピコはさすが高級品らしい真円度の高さを感じるタイヤで、まだ新品だから結論にはほど遠いが、直進安定性が優れていて、グリップにも不安が無い。無論、踏み面は十分にしなやかで「上等なものに乗っている」感たっぷり、空気圧と乗り心地の固さの関係がクリンチャーとは比較にならないのはチューブラーの美点。
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